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アルミ溶接を依頼する前に設計担当者が押さえるべきポイント

アルミニウムはその軽量性・耐食性から、輸送機器や電子機器、建築材料に至るまで幅広い分野で使用されており、大手メーカーでは日常的にアルミ製品の設計・開発が行われています。

しかし、アルミの溶接は他の金属と比較して難易度が高く、依頼先の選定や設計段階での工夫が製品品質を左右します。

そこで、本記事では、「アルミ溶接を依頼する前に設計担当者が押さえるべきポイント」と題しまして、どんなアルミ溶接加工業者へ依頼すべきか、またアルミ溶接を依頼する際の設計ポイントをご紹介いたします。

アルミ溶接はなぜ難しいのか

アルミ溶接には、下記のような特有の難しさがあります。

・熱伝導率が高いため、母材全体に熱が拡散しやすく、変形しやすい
・表面の酸化皮膜(アルミの酸化膜)が溶接不良(ピンホールやブローホール)を招く
・他の金属に比べて溶けやすく、溶接ビードの管理が難しい
・熱影響部が弱く、強度が下がりやすい

こうした理由から、アルミ溶接では「事前準備と正確な温度管理」が非常に重要です。設計段階で溶接性を意識し、信頼できる企業に依頼することが求められます。

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どんなアルミ溶接業者に依頼をするべきか

アルミの溶接を依頼する際には下記ポイントを押さえた企業に依頼することで、良い製品づくりに繋がります。

ポイント①:余熱前に脱脂を十分にして、ピンホールを防いでいるか?

アルミ材には、表面に油分や切削油、汚れが残っていると、ガスが発生してピンホールやブローホールの原因になります。

良い業者は、溶接前にアルカリ洗浄やアセトンによる脱脂処理を徹底しています。これにより、溶接欠陥のリスクを最小限に抑え、安定した品質を実現できます。

 

ポイント②:溶接前に適切な余熱処理を行っているか?

アルミは熱伝導率が高く、急激に冷えるためにクラックが発生しやすい素材です。これを防ぐには、事前に母材を適切に加熱(余熱)することが重要です。

加熱時の温度は 材質・肉厚・溶接方法 によって変わりますが、通常は 200~500℃程度 で余熱処理を行います。一般的に、ガスバーナーやヒーターでの均一加熱行います。

レーザー溶接の場合は局所加熱のため、余熱なしでも対応可能ですが、それも適切な設備とノウハウが必要です。

設計担当者が押さえるべきポイント

アルミ溶接を依頼する前に、溶接性を考慮した設計を行うことでも、より良い製品づくりに繋がります。

ポイント①: 肉厚を均一にする

厚みの違う部材の接合は熱分布が不均一になり、溶け込み不足やクラックの原因になります。できるだけ同一肉厚で設計することが重要です。

ポイント②: 溶接部にアクセスできる形状にする

溶接トーチやレーザーが物理的に届きにくい場所は、ビード形成が不安定になります。治具が入るスペースや手が届く位置を設計段階で意識しましょう。

ポイント③:熱歪みを想定して寸法公差を設ける

アルミは溶接による歪みが大きいため、後工程での仕上げを前提に、あらかじめ公差や修正工程を計画しておくと、手戻りのリスクを大きく減らせます

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今回は、アルミ溶接を依頼する際に設計担当者が押さえるべきポイントついて紹介いたしました。アルミ加工コストダウンセンターを運営する株式会社岡部機械工業では、国内屈指の最先端設備を揃えており、高精度な加工を実現する環境を整えているため、お客様のご要望に沿った製品づくりを実現いたします。

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