平面度1/100mm以下といった高精度が求められる加工では、アルミ材では加工後にわずかなひずみや反りが発生することがあります。こうした高精度平面を確保するためには、研磨加工が必要になるケースも多く、それに伴いコストと手間が増加してしまいます。
上記の場合、磁性が求められる場合を除き、アルミからSUSのマルテンサイト系材料への変更をすることも対策の一つです。SUSのマルテンサイト系材料は熱処理によるひずみが少なく、機械加工後の平面度が安定しやすい特徴を持っています。研磨なしでも高い平面度を保ちやすく、結果として全体の工程数とコストを抑えることができます。
アルミは、加工しやすい反面、特に薄肉部品では加工中のひずみが大きな問題になります。一般的なA5052やA6061などの材料では、切削による内部応力の解放によって反りや寸法変化が生じることもあり、高精度部品の仕上げに苦労するケースが多くあります。
そこで、薄肉や精密部品においては、調質系アルミ材(例:A6061-T6、A7075-T6など)を採用することで、ひずみを少なくして、精度を高めることができます。調質系アルミ材は、あらかじめ熱処理によって組織が安定化されており、切削時の応力変動を最小限に抑えることができます。そのため結果として、反りの発生が少なく、仕上げ後の寸法精度も安定します。
材料単価は高いですが、再加工や不良品の削減、工数の短縮という面でトータルコストを押さえることにつながります。
「加工順序の最適化」も精度向上に大きく影響します。たとえば、切削中に発生する応力の逃がし方や、反りを抑えるための中間焼鈍処理、あるいは両面加工の順番など、加工現場ではさまざまな工夫が積み重ねられています。
特に高精度部品の場合、いきなり仕上げ加工を行うのではなく、荒加工→応力除去→仕上げ加工という手順を踏むことで、より高い寸法精度を得ることが可能です。
今回は、精度を高めるアルミ加工の設計・加工ポイントついて紹介いたしました。アルミ加工コストダウンセンターを運営する株式会社岡部機械工業では、国内屈指の最先端設備を揃えており、高精度な加工を実現する環境を整えているため、お客様のご要望に沿った製品づくりを実現いたします。また上記のようなポイントを抑えながら、コストダウン提案も行っております。
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