旋盤加工とは、切削加工の一つであり切削工具であるバイトを固定して対象物を回転させながら削り取る加工方法です。旋盤加工は少ないブレで加工することができるので、真円度の高い製品の加工に適しています。旋盤加工は大きく①外径加工②内径加工③ねじ切り加工④突切り加工の4点に分類することが可能です。
①外径加工
外径加工は、最も多く用いられる加工方法で回転物に対して外側からバイトを当てる方法で、表面仕上げや任意の形状に成形する際に使用します。外径加工では、発生する切屑が外側に飛散することで絡まる可能性がございます。切屑とが絡まることで精度悪化を誘発するために、切削速度を調整することが必要です。
②内径加工
内径加工は、あらかじめ穴あけ加工であけた穴に対して、内側からバイトを当てることで表面仕上げや穴の大きさを広げるために使用します。加工距離に比例して、バイトの突き出し量が長くなるため、たわみやビビリに注意する必要がございます。さらに内側に切屑が飛散するために、アルミの場合には刃先が溶着して構成刃先の原因となります。そのために、刃の形状や加工速度を変え、切り屑を外側に排出することが重要となります。
③ねじ切り加工
ねじ切り加工は、ねじ山を製作する加工方法で、雄ねじの場合には外側を外径ねじ切り旋盤加工、一方で雌ねじの場合には内側を内径ねじ切り旋盤加工を行います。ねじのピッチは等間隔であるため、バイトの移動は手送りではなく自動送り機能を使って速度を一定に保つ場合が多いです。
④突切り加工
突切り加工は、回転物に工具を押し当てることで製品を切り落とす加工方法です。突切りで使用するバイトは刃が細く、切断には手から伝わってくる振動や音などで確認しながら作業をします。硬度の高いワークを加工する際には、靭性の高い工具や回転数を落として切削油を給油しながら摩擦を小さくする必要があります。
アルミは材質上、軽量かつ軟質で被削性は良い材質として挙げられます。しかし、この軟質の性質から鉄やステンレスと同様の固定方法を行なうと、チャックで加工品に傷がついてしまい、変形・破損の原因にもなります。そのために、当社ではチャックの締め付ける際に緩衝材を入れることで傷の入らないような対策を行っております。また、細い径の加工品の場合には刃が当たることにより外径が逃げる対策として粗加工・中仕上げ・仕上げの3工程を施すことや旋盤加工の中で突切り加工の場合には、歪みが起きやすいので突切り加工後、仕上げ加工にて対策しております。さらに、アルミ加工の際に生成される切粉は粘性が高くつながりやすいために切り込み量や切削速度の調整が必要となります。
こちらの製品は、2000系アルミニウム合金を材質とした機械部品です。こちらの機械部品は医薬業界で使用される錠剤の搬送装置の部品の一つでございます。搬送装置のガイドとして使用されております。サイズは幅175×長さ175×高さ68で、旋盤加工・マシニング加工・タップ加工の複数の加工工程を伴う複合加工を行って製作致しました。旋盤加工とフライス加工を複合することで幅広い加工が可能になります。複合加工することでリードタイムの短縮とワンチャッキングによる精度の向上を実現することが可能となります。
>>加工実績はこちら
こちらの製品は、2000系アルミニウム合金を材質とした機械部品です。こちらの機械部品は医薬業界で使用される錠剤の搬送装置の部品の一つでございます。搬送装置部品蓋と合体させて出来た隙間に錠剤を入れて、バキュームすることにより搬送を可能としております。サイズは幅Φ300×高さ70で、マシニング加工、旋盤加工、ボール盤加工の複数の加工工程を伴う複合加工を行って製作致しました。旋盤加工では、内側を大きく削るので、製品にひずみが残らないように加工しています。マシニング加工では中心がぶれないよう芯だしをするこで、製品を連結させた時に位置出しが行いやすくなっております。また、いびつな形で加工がしづらい側面部のタップ加工もボール盤を利用することで可能にしています。
>>加工実績はこちら
こちらの製品は、2000系アルミニウム合金を材質とした機械部品です。こちらの機械部品は医薬業界で使用される錠剤の搬送装置の部品の一つでございます。搬送装置部品金型に蓋をするように使用して、その隙間からバキュームする用途で使用しております。サイズは幅Φ300×高さ35で、旋盤加工・マシニング加工・タップ加工の複数の加工工程を伴う複合加工を行って製作致しました。切削加工に切削工具及びアルミニウム合金に大きな負荷がかかるため、反りや歪みが生じる場合がございます。そこで当社では、旋盤加工での振れを無くすために、チャックせずに治具を使用して挟むように加工をしました。また、切削加工時にクーラントを用いて刃先を冷却しつつ、工具の摩耗を考慮した高速で切削加工を行っております。
>>加工実績はこちら
今回は旋盤加工の特徴とアルミの旋盤加工におけるポイントについてご紹介いたしました。アルミは軟質であるために、刃先が溶着しやすく精度悪化を引き起こす場合がございます。それを防ぐために、加工方法や工具の選定において、注意が必要となります。
自動機メーカーとして培ってきた装置部品に関する知見とノウハウを有する当社は材料の調達から加工、溶接、表面処理まで一貫対応を可能とする技術力及び社内設備を整えております。
社内生産に加えて、全国の100社を超える協力会社ネットワークと、海外外注ネットワークによる量産体制も整えておりますので、お客様のご要望に柔軟にご対応することが出来ます。
アルミ加工に関してお困りごとがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
>>お問い合わせはこちら
>>当社のアルミ機械加工について詳しくはこちら