アルミの表面処理について
アルミは軽量という特性を活かして、近年様々な部品加工で使用される材質で切断や曲げ、切削といった多くの加工方法がございます。アルミはそのまま使用されるわけでなく、使用する環境によっては、特殊な加工や表面処理が必要になります。また、表面処理には様々な方法があり、どの表面処理を行うか、事前の検討が必要です。今回は表面処理の効果から、アルミの表面処理方法までご紹介いたします。
表面処理とは?
表面処理とは、金属や木材などの表面にめっきや熱・化学処理を施し、強度や耐久性などを高めることを呼び、その表面処理の種類は多岐に渡ります。ただ表面処理は主に2種類に分類することが可能で、それぞれ除去加工と付加加工があります。除去加工は、材料表面の付着物、もしくは材料そのものを削る処理方法で、付加加工の前処理として利用される洗浄や除錆、エッチングなどが該当します。一方で付加加工は、除去加工以外の全ての表面処理が該当し、表面の改質現象の違いによって次の5つに分類できます。
①表面の化学成分は変わらず、金属組織が変わる付加加工
具体的には、高周波焼入れ・炎焼入れ
②表面で化学反応する付加加工
具体的には、陽極酸化・化成処理
③表面に他の物質を載せる付加加工
具体的には、めっき・塗装・ライニング
④表面から他の元素を染み込ませる付加加工
具体的には、浸炭処理・窒化処理
⑤表面に他の物質を載せ、さらに基材との境界には元素を染み込ませ る付加加工
具体的には、溶融亜鉛めっきや熱CVD
表面処理の効果とは?
アルミは表面処理をすることで、アルミの強みをさらに活かせる製品に生まれ変わります。アルミの表面処理では主に以下の4つの性質を付与できます
①耐食性
アルミは、湿気の多い場所などでは、すぐに酸化し腐食してしまうことがあります。そのため、アルミに表面処理を行い、耐食性を付与する必要があります
②表面硬化
アルミは、素材そのままだと、柔らかく傷つきやすい素材です。その為、アルミに表面処理を施すことで、表面を硬化させ、傷つきにくくします。そうすることで、破損を防ぐことができ、外観も保てます。
③装飾性
アルミに表面処理を施すことで、装飾性を上げられます。表面処理の中には色を付ける処理などもあり、光沢を加えるだけでなく、様々な色に仕上げることが可能です。
④絶縁性
アルミニウムは最も導電性のいい金属のひとつで、外気に晒すと表面に絶縁性の酸化アルミが生じます。アルミに表面処理を施し、絶縁性を付与することで精密な機械部品などにアルミが使用されるようにします。
アルミの表面処理方法とは?
アルミの表面処理というと、一般的によく使われるのが、アルマイト処理です。ここではアルマイト処理に加え、化成処理、メッキ処理、塗装の4つについてご紹介します。
①アルマイト処理
アルマイトとは、別名陽極酸化処理と呼び、電解液といわれる電気の伝導性を有する液体にアルミの素材を入れ、電流を流すことによって、酸化被膜を表面に形成する表面処理のことです。処理の種類は白アルマイト処理と着色アルマイト処理の2つがあり、使用目的にあったアルマイト処理を選ぶ事が可能になります。10㎛程度の酸化被膜に保護されるため、サビに強い耐食性が得られます。
②化成処理
化成処理とは、化学反応により防錆効果の高い酸化被膜をアルミの表面上に形成する表面処理のことです。アルマイトの酸化被膜と比較すると、被膜が薄いことが特徴で化成被膜はアルミとの密着率が良くなるため、塗膜密着性向上+塗装膜耐食性向上目的での塗装下地としても多く採用されています。
③メッキ処理
メッキとは、他の金属を析出させることで加工素材を覆う表面処理のことです。アルミは以前まではめっきするのが難しい難メッキ材でしたが現在では安定して形成出来ています。メッキ処理をすることで、アルミに電気的特性及び機械的特性、装飾性を向上させることが可能となります。このメッキ処理には電解メッキと無電解メッキがあります。電解メッキでは、電気を流し表面に金属を析出することで処理時間が短縮でき、また処理時間を長くすればめっき厚みを厚く施工することが可能となります。一方で無電解メッキでは、化学反応にて金属を析出させることで、治具等を製作せずとも均一にめっきが被覆するため複雑形状への施工が可能となります。
④塗装
塗装とは、主にはけやスプレーなどによって被膜を付着させる表面処理のことです。塗装では、素材に樹脂被膜を付着させます。アルミを塗装することによって、耐久性を付与できかつ様々な色に着色できる点から、外観が美しいという点が挙げられます。
当社のアルミ機械加工の加工品実績①機械部品-4
こちらの製品は、2000系アルミニウム合金を材質とした機械部品です。サイズは幅175×長さ175×高さ68で、旋盤加工・マシニング加工・タップ加工を行って製作致しました。旋盤加工とフライス加工を複合することで幅広い加工が可能になります。また表面には白アルマイト処理を施しております。
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当社のアルミ機械加工の加工品実績①機械部品-3
こちらの製品は、2000系アルミニウム合金を材質とした機械部品です。サイズは幅φ300×高さ70で、旋盤加工・マシニング加工・ボール盤加工を行って製作致しました。旋盤加工では、内側を大きく削るので、製品にひずみが残らないように加工しています。マシニング加工では中心がぶれないよう芯だしをするこで、製品を連結させた時に位置出しが行いやすくなっております。また、いびつな形で加工がしづらい側面部のタップ加工もボール盤を利用することで可能にしています。
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今回はアルミの溶接方法についてご紹介をさせていただきました。
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