①軽い
アルミで優れている点としてまず挙げられますのは、軽さです。これは鉄や銅と比較して約1/3、チタンと比較して40%も軽いです。そのため、近年の省力化と軽量化ニーズに相まってアルミは自動車・鉄道車両・飛行機などによく利用され、燃費の向上に貢献します。
②錆びにくい
アルミは空気中の酸素による酸化反応が起きやすい材質です。しかし、アルミは酸化と同時に酸化アルミニウム(別名アルミナ)となり、この酸化アルミニウムが表面を覆い尽くすことでアルミ内部の酸化を防ぎます。そのため、この緻密で安定な酸化皮膜を生成することにより、腐食を抑制しています。
③優れた加工性
優れた加工性を持つアルミは塑性加工がしやすく、さまざまな形状に成形することが可能です。紙のように薄い箔や、複雑な形状の押出形材容易に製造することができます。また、できあがった製品素材をさらに成形加工したり、製品の表面などに精密加工を施したりすることも比較的容易です。さらに切削加工性にも優れているため金型などの工具や機械部品にも利用されています。
④磁気を帯びない
アルミは非磁体性で磁力に影響されません。他の特性の軽いや錆びない、加工性がよい、などと組合わせることによって、電子医療機器・メカトロニクス機器、リニアモーターカー等の幅広い部品製作に活用されています。
⑤熱伝導率が高く、電気を良く通す
アルミニウムの熱伝導率は鉄の約3倍、導電率は約2倍です。熱伝導率が高い材質は急速に冷えるという性質もあるため、この特性からアルミは冷暖房装置、エンジン部品、各種熱交換器等によく使われています。また電気伝導率は銅の2倍もの電流を通すことができます。現在では高電圧の送電線の約99%に採用されるとともに、エネルギー利用、エレクトロニクス分野での需要が大きく伸びてきています。
⑥低コスト
他の金属全体と比較すると流通量が多く、在庫リスクも非常に低いので入手がしやすく安価な材料です。
⑦高強度
アルミは比強度が非常に高いため、建築物などの構造材料として多く使用されています。しかし純アルミニウムの引張強さはあまり大きくないため、これにマグネシウム、マンガン、銅、けい素、亜鉛などを添加して合金にしたり、圧延などの加工や熱処理を施したりして、強度を高くします。
身の回りで実用化されているアルミニウムは純度99%以上のものが「純アルミニウム」と呼ばれています。その一方、強度や性能を高めるためにほかの金属を混ぜ合わせたものをが「アルミニウム合金」と呼ばれています。世に流通している多くのものがアルミニウム合金です。純アルミニウムは1000番台と呼ばれるものであり、アルミニウム合金は様々な種類があり、2000番台~7000番台と呼ばれています。
アルミは加工性が非常に高い金属ですが、注意する点もあります。
それは加工中に刃物へ溶着する可能性があるという点です。アルミは熱伝導率が高いため熱が逃げやすいと思われますが、加工品やアルミの種類の組み合わせによっては溶着が起こります。溶着が起こると、刃物にアルミが解けて付着することで刃物に構成刃先と呼ばれる刃を作ってしまうことです。構成刃先が生じることの問題点としては、工具の刃先が欠けてしまうこと、それに伴って加工精度が低下してしまうこと等が挙げられます。
この溶着を防ぐ対策は主に2つあります。
1つ目はエアブローによる切粉の排除です。
加工により発生した切粉をこまめに取り除くことで溶着はある程度防ぐことが可能です。
2つ目は切削油を用いることです。
アルミは鉄や銅と比較すると非常に軽いので比較的浮きやすいため、溶着のリスクを減少させることができます。
上記の2つの対策法を用いれば、アルミ加工における溶着を防ぐことができます。
こちらの製品は、6000系アルミニウム合金を材質とした機械部品です。サイズは幅50×長さ50×高さ10で、マシニング加工・フライス加工を行って製作致しました。2.5次元加工や、斜面部の切り込みを細かくすることで、美しい表面で仕上げることが可能です。当社では自動機メーカーとして培ってきた装置部品に関する知見やノウハウを活かし、お客様のご要望に最適な部品形状の提案致します。
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こちらの製品は、アルミニウム純度99.5%以上の純アルミであるA1050を材質とした機械部品です。サイズは幅28×長さ63×高さ2で、マシニング加工・フライス加工を行って製作致しました。A1050は一般的なアルミと比較した際に導電性や加工性に優れていますが、強度面では劣ります。そのため、当社では加工の際にクランプ条件と切削条件に注意しております。
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こちらの製品は、2000系アルミニウム合金を材質とした機械部品です。サイズは幅Φ300×高さ35で、旋盤加工・マシニング加工・タップ加工の複数の加工工程を伴う複合加工を行って製作致しました。切削加工に切削工具及びアルミニウム合金に大きな負荷がかかるため、反りや歪みが生じる場合がございます。そこで当社では、切削加工時にクーラントを用いて刃先を冷却しつつ、工具の摩耗を考慮した高速で切削加工を行っております。
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今回はアルミの特徴・種類などの基礎知識についてご紹介いたしました。
自動機メーカーとして培ってきた装置部品に関する知見とノウハウを有する当社は
材料の調達から加工、溶接、表面処理まで一貫対応を可能とする技術力及び社内設備を整えております。
社内生産に加えて、全国の100社を超える協力会社ネットワークと、海外外注ネットワークによる量産体制も
整えておりますので、お客様のご要望に柔軟にご対応することが出来ます。
アルミ加工に関してお困りごとがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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