ブラケットは、機械や構造物において補強や固定を目的とした重要な部品です。
主に自動車や産業機械、家具、建築設備など幅広い分野で使用されており、
部品と機器をしっかりと固定・支持する役割を担っています。
一般的な形状としては、L字型や角型の金属部品が多く、棚を壁に固定するためのブラケットなど、日常生活でも目にする機会がある部品です。
また、製造業では治具の固定や装置内部の部品の強度向上など、さまざまな用途に使用されます。
技術コラム
ブラケットのマシニング加工
ブラケットとは
ブラケットの種類
T型ブラケット
T型ブラケットは、名前の通り「T」の形をした構造を持ち、
主に垂直方向に部品を支えるために使用されます。
このブラケットは水平および垂直の負荷を効率的に分散できるため、配管の固定やフレームの接続といった用途に最適です。
L型ブラケット
L型ブラケットは、直角に曲がった形状を持ち、2つの面を直角に連結する用途で使用されます。
そのコンパクトな設計から取り付けが容易で、家具の補強や機械部品の固定に多く使われています。小型ながらも負荷分散に優れ、耐久性も高いことが特徴です。
I型ブラケット
I型ブラケットは棒状の形状をしており、直線的に部品を接続するために用いられます。
シンプルな構造ながら、建築や機械フレームの補強に最適であり、直線上に配置された部品を効率的に支える役割を担います。
Z型ブラケット
Z型に曲げ加工された形状を持ち、異なる高さや位置にある部品を接続する際に使用されます。段差のある構造物や配置に柔軟に対応できるため、配管の支持や特殊な設計条件下で特に役立ちます。そのため設計の自由度は高く、特殊な形状や用途にも適応可能です。
凸型ブラケット
凸型ブラケットは、凸状に突起を持つ構造が特徴で、複数方向に負荷を分散しながら部品を支持します。
この形状により、部品間の距離を確保しつつ、支持することが可能であり、回転部品の保持や配線の整理といった用途に用いられることが多いです。
複雑な機械設計で特に重宝され、構造全体のバランスを取りやすい点が大きな特徴です。
ブラケットのマシニング加工におけるポイント
基準面の精度管理
ブラケットのマシニング加工では、基準面の精度を管理することが非常に重要になります。加工前に基準面の位置や平面度を正確に出すと、その後の加工を正確に行うことができます。
切削順序の最適化
ブラケットを製作する際に、加工順序を最適化することも重要です。
例として大きな切削負荷がかかる工程を最初に行い、仕上げ工程を後にすることで、寸法安定性を向上させることができます。
例えば、当社ではL型のブラケットを製作する際に、最短の手順で加工をするためにL型形状にする前に、中心穴の荒取り、R形状部の形状出し、4つ穴の下穴加工を先に行うことで最短で加工を実施しました。
熱膨張と変形の対策
加工中に発生する熱がブラケットに影響を与え、膨張や歪みを引き起こす可能性があります。そのため、加工時の切削熱を抑えるために適切な切削速度や冷却材を使用することが大切です。
また、薄肉部品の場合は、クランプ力を最適化して変形を防ぐ必要があります。
当社のブラケットの加工事例
A5083 取付ブラケット
こちらは、A5083製の取付ブラケットの加工事例となります。
加工工程としては、まず側面と底面にフライス加工を施し、基準面を形成します。
その後、上面および3箇所の穴にマシニング加工を行うことで、高い加工精度を実現しています。
A5052 ブラケット
こちらは、ブラケットの加工事例です。
加工工程では、まずザグリ穴の膨らみを考慮した加工を行い、
その後に溝加工を実施しました。この手順により、溝加工を指定された公差内で仕上げることができました。
さらに、溝の幅が3.3mmと細かったため、ロングネック仕様の特殊エンドミルを採用しています。
A7075 モーターブラケット
こちらは、医薬業界で使用されるモーターブラケットの加工事例です。
切削加工と穴あけ加工は、マシニングセンタを使用して行いました。
また、公差穴についても同じくマシニングセンタで円加工を行ったため、ボーリング加工を省略でき、リードタイムの短縮を実現しています。
まとめ
今回はブラケットのマシニング加工についてご紹介しました。
アルミ加工コストダウンセンターを運営する岡部機械工業では、マシニング加工によるブラケットの製造事例が多くございます。
その他にアルミの機械加工だけでなく、溶接や表面処理など幅広い加工に対応しておりますので、アルミ加工でお困りの方はお気軽にご相談ください。
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